29 April, 2006

北イタリア

初イタリア巡り、というと少し大げさになる。かなりの北西部のみ、Velona → Milano → Torino → Aosta → Courmayeur、10日間の行程。


ヴェローナは早い話が電車の途中下車、たまたま乗換え駅ということで立ち寄った。ところがどうしてなかなかいいとこ、初日からイタリアの小さな美しい町というものを見物することができた。この町で泊まったユースホステルも、少し丘の上で分かりにくかったが、宗教施設を思わせる(おそらく以前はそうだったんだろう)なかなか見事な内装、 朝食は改善の余地ありだったけど、コストパフォーマンスは抜群。
このユースでたまたま一緒になったイタリア在住日本人カップルのお二人、自転車作りの職人さんと日本画の絵描きさん、自転車で気ままに町から町へ回っている最中だった。とても気さくで穏やかないい雰囲気を持った人達、こんな人情味溢れるカップルは見たことがない。たった一晩宿が同じだっただけなのに、夜中にサンドイッチをご馳走になり、色々とイタリアについて教えてもらう。翌日にはもう何年も前から知ってるような感覚に。こういう出会いこそ旅の醍醐味だと思う。何とこのお二人、旅先で出会ったとか…うーん、素晴らしい。

ファッションの街、ミラノ。確かに街を行く人、ブティックのショーウィンドウを眺めれば、何となく凄くファッショナブルな気が…、日本ではお目にかからない斬新なデザインの服も多かった。見る人が見ればもっと感動できるんだろうかなどと思いつつ、ヴィトンの隣のマックでランチ…。マクドナルドも実は国によってメニューのバリエーションが違ってそれなりに面白いのだ!それにミラノは中心街の飲食店の値段が殆んどボッたくり同然。いい訳はこれくらいにして、やはりミラノくらいの大きい都市になると、治安の面でも昼間から気は抜けないし、公共の場所もきれいとは言い難い。確かにドォーモ(写真)とスカラ座は素晴らしかったが、個人的には長く滞在したいとは思わなかった。

トリノ、ピエモンテ州の州都であり、つい2ヶ月前冬季五輪に沸いた街。ここを訪れるのが今回の旅の本来の目的で、滞在も4日間、メインといっていい。目的は1週間にわたってトリノで開かれていたとある催し、「スズキメソード世界大会」(詳細はこちら)。その催しに参加しつつ市内観光。トリノは思っていたよりもずっと趣があり、魅力的な都市だった。まず町並みが非常に洗練されていて、きれいだった。食べ物はイタリア料理とフランス料理のいいとこ取りをしたというピエモンテ料理があり、飲み物はピエモンテ産のワインで言うことなし、しかも概してリーズナブル。加えてこの街にはお菓子がある、チョコレートも絶品。飲み食いの好きな自分にとっては何ともいい所であった。マックの国別比較も悪くないけど、やはりその土地特有の食べ物もたまには食べなくては…次いつ口にできるかわからない。この頃になってようやく、ありがとうのグラツィエとこんにちはのボンジョールノあたりが考えてからでなくても口から出るようになった。一人旅だと特に、田舎に行けば行くほど言葉は死活問題。それにしてもトリノはよかった。

トリノからバスで2時間、のはずが途中までしか行かずに変なとこで降ろされ、待って乗継いで結局3時間半の行程。電車を使うべきだった、ともかくイタリアの北西の端、小さな小さなヴァッレダオスタ州の州都アオスタ(写真)に到着。ここへは特別な目的もなく、単に山を見に行った。州名にあるアオスタ渓谷の中心都市で、四方をアルプスの山々に囲まれ、どこを見ても山、山、山。山以外にローマ時代の遺跡が色々と残るこの町は、いるだけで時間の流れがゆっくり感じられた。

アオスタからさらに北西へバスで1時間、モンブランの麓の町、クールマイヨール(写真)。心から空気がうまいと感じたのは久しぶりだった。夏でもスキー客が絶えないこの町は、標高も1200mを超え、バスを降りると涼しさを覚えた。目の前に迫り来るアルプスは雄大で、いつまで眺めていても飽きない。

ここまで来たら行けるところまで行くだろ、ということでそこから地図と辞書を片手に路線バスで20分、ひたすら山道を登って着いたところはフィレの谷。あるおっちゃんに連れられて、丁寧なイタリア語+フランス語のアルプスの解説を耳に少し歩くと、辺り一面銀世界に。地元の人達が雪の上に寝椅子を並べてモンブラン(写真)とグランジョラスを眺めつつ日光浴をしている。山々は美しいと言うよりむしろ自然の厳しさを醸し出していた。この田舎町に山目当てで来た2日間は天気に恵まれて、とてもラッキーだった。


イタリアののどかな田舎町からミラノへ戻り、夜行列車に揺られてビールの町まで戻ってきた。この夜行列車で一緒になった人達と、真夜中に列車の窓から眺めた満天の星空は、旅の最後のいいハイライトになった。